【第165回のお知らせ】<before planning after planning>
能作淳平氏は地域性や伝統を手掛かりとして作品を作り上げる若手建築家である。これから世に出ようとする若手にとって、地域性あるいは伝統といった概念は非常に扱いが難しい。ややもすると歴史という巨大な存在に巻き込まれ、自らの存在が波間に消え失せてしまう場合が多いのだ。ところが能作氏は地域性あるいは伝統を極めてアヴァンギャルドに読み替え、極めて強い作家性を醸し出すことに成功しているのである。今や国内で5人最も著名な30代前半の建築家を挙げるとき、能作の名前が落ちることはない。能作氏の手法は意表をつく。屋根そのものを引っ越しさせるプロジェクトは知っていたが、まさか本当に実現すると思っていた人は少ないであろう。その仕掛けの背景には地域性や伝統という定理の転覆がある。地域性や伝統というものは過去の様式ではなく、今まさに日常のどこにでも存在する私達日本人そのものなのである。そこには新しいあるいは古いという時間軸に立脚した概念は存在しない。過去と現在は日常の中に今存在するのだ。今彼の世代は建築の在り方を根本から変えようとしている。私も含め旧来の建築家は刮目せねばならないと思うのである。 (手塚貴晴)
■テーマ:before planning after planning
詳細&お申し込み先
■講演会: 2018年1月23日(火)受付18:00 開演18:30~20:00 【要予約:締切り1月19日(金)】
講演者 :能作 淳平(建築家/ノウサクジュンペイアーキテクツ主宰)聞き手 :手塚 貴晴(建築家/建築家フォーラム幹事)
聴講費:建築家フォーラム会員=無料
法人会員(3名まで)=無料
一般ビジター=2,000円
学生・院生ビジター=1,000円
(聴講費は講演会当日に受付にてお支払いください)
■会 場: 大光電機(株) 大会議室 〒130-0026 東京都墨田区両国4-31-17 両国ビル10F
手塚 貴晴 てづか たかはる
1964 東京都生まれ
1987 武蔵工業大学卒業
1990 ペンシルバニア大学大学院修了
1990-94 リチャード・ロジャース・パートナーシップ・ロンドン勤務
1994 手塚建築企画を手塚由比と共同設立(1997 手塚建築研究所に改称)
2009- 東京都市大学教授
【主な受賞歴】
日本建築学会賞(作品)(2008年ふじようちえん)
日本建築家協会賞(2008年ふじようちえん)
グッドデザイン金賞(1997年副島病院)(2013年あさひ幼稚園)
日本建築家協会優秀建築賞(2015年 空の森クリニック)
Global Award for Sustainable Architecture 2017
2017 Moriyama RAIC International Prize
能作 淳平 のうさく じゅんぺい
1983年 富山県生まれ
2006年 武蔵工業大学(現・東京都市大学)建築学科卒業
2006年-10 建築家・長谷川豪に師事
2010年- ノウサクジュンペイアーキテクツ主催
現在 東京都市大学、東京大学、東京藝術大学非常勤講師
【主な作品と受賞】
SDレビュー2013鹿島賞
第15回ヴェネチアビエンナーレ国際建築展 審査員特別賞受賞
故郷の高岡で手がけた 「高岡のゲストハウス」
東京建築士会2015年住宅建築賞受賞
「ハウス・イン・ニュータウン」
SDレビュー2016奨励賞
長崎県五島列島での民家改修のプロジェクト「さんごさん」
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