レター

銀座で10年・そして京橋へ

―銀座で10年・そして京橋へ―

フィグラ社長、加藤氏は銀座の建築家倶楽部発足当初より、ポリシィとして自社の企業名をPRすることを控える方針でしたから、メンバー諸氏もあまり明確なスポンサーについて充分な認識もないまま、垣根のないコミニュケーションの場を楽しんでまいりました。

銀座の貸ビル200㎡を借りて事務所経費を加えると、年間では相当な額になりますがバブル崩壊後の10年間の容易ならざる不況下で、倶楽部はフィグラ1社の絶大な支援と26社の法人会員のご協力によって存続してきたことは、信じ難い文化的なメセナなのでした。

そこで、諸経費の一部でも補充に役立てばと、メンバー会費を年間15,000円に設定する際にご意見を募り熟慮しましたが、個人としてのサポートは上限の金額と判断せざるを得ませんでした。

そして、発足当初から発起人はなるべく大学の先生がよいとのスポンサーのご意見で、池原、香山両先生のご賛同を得て軌道に乗せることができました。

その後は、私が代表幹事として運営に当りましたが、常に客観的なスタンスを保ちながら、展示トークの人選を考慮したつもりですが、すべてのフォーラムの成果がメンバーの皆様に満足されたかどうか自信はありません。

しかし、建築界で自由な語らいの場を演出できたことに大きな喜びを感じています。但し折角のセミグランドピアノの使用頻度が少なかったのが心残りです。

すべて加藤社長の懐の深さに甘え、スタッフの協力を得てなんとかメンバー各位の忌憚のない意見を交換し、建築界に発信できたことに、倶楽部の存在価値があったのではないかと思います。

2000年以降は名称も『建築家フォーラム』と改め、会場は京橋INAXビル7Fホールとし、月例の企画として再発足の準備を進めておりますので、御期待ください。そしてサポートしてください。

建築家倶楽部 代表幹事   近江 栄

最近のレター